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訪問看護コラム

  • 訪問看護
  • 2025/09/25

訪問看護のやりがいとは?【体験談あり】病院との違いや後悔しないための知識

毎日めまぐるしく業務に追われ、「もっと一人ひとりの患者さんとじっくり向き合いたいのに」と感じることはありませんか。


病棟での多忙な日々や夜勤の負担に、心身ともに疲れを感じている方も少なくないでしょう。


そんな中で、キャリアチェンジの選択肢として「訪問看護」に興味を持ち始めた方もいるかもしれません。

この記事では、病院勤務とはひと味違う、訪問看護ならではのリアルなやりがいを、現場の体験談を交えながら詳しく解説します。

さらに、やりがいというポジティブな側面だけでなく、転職後に後悔しないために知っておくべき厳しさや、ご自身の適性についても掘り下げていきます。


この記事を読めば、訪問看護への転職があなたにとって本当に正しい選択なのかを見極め、自信を持って次の一歩を踏み出せるはずです。

INDEX

訪問看護で感じる5つのやりがい|病院勤務との大きな違い

訪問看護のやりがいは、多くの点で病院勤務とは異なります。在宅という環境で、利用者さんの生活に深く関わるからこそ得られる特別な実感があります。


ここでは、その魅力を「利用者との関係性」「専門性」「自律性」「社会貢献」「働き方」という5つの観点から、病院との違いを明確にしながらご紹介します。

1. 利用者一人ひとりの生活と人生に深く寄り添える

病院では入院期間が限られており、退院後の生活まで見届けることは難しいのが現実です。


しかし訪問看護の舞台は、利用者さんが慣れ親しんだご自宅です。治療の場ではなく「生活の場」で関わるため、その人らしい暮らしや価値観を最大限に尊重したケアができます。

利用者さんやご家族と長期的に関わる中で、単なる医療従事者としてではなく、人生の伴走者のような深い信頼関係を築けることも大きな魅力です。


「あなたが来てくれると安心する」という言葉に、日々の疲れも吹き飛ぶほどの喜びを感じられるでしょう。

2. 自分の判断と工夫が活きる!専門職としての自律性

病院では医師や先輩看護師が常に近くにいるため、すぐに指示を仰いだり相談したりできます。


一方、訪問看護では基本的に一人で利用者さんのお宅へ伺い、その場の状況をアセスメントし、必要なケアを判断・実践します。


この「自律性は大きな責任を伴いますが、同時に専門職としての大きなやりがいにも繋がります。

自分の知識や経験、看護観を存分に活かしてケアを組み立てられるのは、訪問看護ならではの醍醐味です。

また、ご自宅にあるものを工夫してケアに活用するなど、創造性も求められ、マニュアル通りではない看護の面白さを実感できます

3. 多様な症例と向き合い、看護師・療法士として成長できる

病院の多くは診療科ごとに専門分化されており、特定の領域の知識や技術を深く追求できます。


それに対して訪問看護では、小児から高齢者、精神疾患、難病、看取りまで、実に多種多様な利用者さんを担当します。そのため、特定の領域にとらわれない、非常に幅広く総合的な知識とアセスメント能力が求められます。

常に新しいことを学び続ける姿勢が必要ですが、それはジェネラリストとしてのスキルアップに直結します。


あらゆる状況に対応できる力を身につけることで、看護師や療法士として大きく成長できる環境です。

4. チームで地域医療を支えるという社会貢献実感

訪問看護は、地域全体で住民の健康を支える「地域包括ケアシステム」において、中心的な役割を担っています。


利用者さんに関わるのは、私たち訪問スタッフだけではありません。主治医、ケアマネジャー、薬剤師、ヘルパーなど、地域の様々な専門職と密に連携し、チーム一丸となって一人の生活を支えていきます。

病院という組織の中で働くのとは異なり、地域医療のキーパーソンとして社会に直接貢献しているという手応えを感じやすいのも特徴です。


自分の仕事が、目の前の利用者さんだけでなく、地域全体の安心に繋がっているという実感は、大きなモチベーションとなるでしょう。

5. プライベートも大切にできる働き方(ワークライフバランス)

病院勤務で多くの人が悩むのが、不規則なシフト勤務や夜勤の負担です。


訪問看護は、基本的に日中の時間帯で活動し、土日祝日を休日としている事業所が多くあります。

そのため、生活リズムを整えやすく、家族や友人との時間、自分の趣味の時間も大切にしやすいのが大きなメリットです。

もちろん、24時間対応の事業所ではオンコール当番がありますが、最近ではオンコールなしの働き方を選べるなど、柔軟な勤務形態も増えています。


仕事のやりがいとプライベートの充実を両立させたい方にとって、魅力的な選択肢と言えるでしょう。

職種別|訪問看護のリアルなやりがいエピソード

ここでは、実際の現場でスタッフが「この仕事をしていて良かった」と感じる瞬間を、職種別の具体的なエピソードとしてご紹介します。


ご自身の姿と重ね合わせながら、訪問看護のリアルな魅力を感じてみてください。

【看護師】「あなたで良かった」最期までその人らしく生きるを支えられた瞬間

末期がんを患い、「最期の時間は、住み慣れた我が家で穏やかに過ごしたい」と願うAさんを担当した時のことです。


私たちは、痛みのコントロールはもちろん、Aさんが好きな音楽を聴いたり、ご家族との思い出話をしたりする時間を大切にできるよう関わりました。


日に日に弱っていくお姿にご家族が不安を募らせた時には、夜中でも電話で話を聞き、気持ちに寄り添い続けました。

穏やかな表情で旅立たれた後、ご家族から涙ながらに「〇〇さんが担当で本当に良かった。おかげで、父は最期まで自分らしく、幸せそうでした」と感謝の言葉をいただきました。


一人の人生の最終章に深く関わり、その人らしい「生きる」を支えられたという実感は、何にも代えがたいやりがいです。

【理学療法士】「できた」が増える喜びを共有できた時

脳梗塞の後遺症で歩行が難しくなり、閉じこもりがちになっていたBさん。


病院のリハビリ室ではなく、Bさんのご自宅で、「ベッドからトイレまで」「玄関から近所のポストまで」といった実際の生活動線に合わせたリハビリを計画しました。


最初は「もう無理だ」と諦めかけていたBさんでしたが、手すりの位置を調整したり、効率的な体の使い方を一緒に練習したりする中で、少しずつできることが増えていきました。

そして3ヶ月後、ついに杖を使って一人でトイレまで歩けた時、Bさんは「先生、また歩けたよ」と涙を浮かべて喜んでくれました。


利用者さんの生活の場で、失いかけた自信と笑顔を取り戻す瞬間に立ち会えること。これこそが、訪問リハビリの最大の喜びです。

やりがいだけじゃない|転職前に知るべき訪問看護の現実と乗り越え方

ここまで訪問看護の多くの魅力をお伝えしてきましたが、もちろん良い面ばかりではありません。


転職してから「こんなはずではなかった」と後悔しないために、知っておくべき厳しさと、それを乗り越えるためのポイントを解説します。

1人で判断する責任の重さとプレッシャー

訪問先では、利用者さんの状態変化に最初に気づき、どう対応すべきか判断するのは自分一人です。的確なアセスメントに基づいた冷静な判断力が常に求められます。

近くにすぐに相談できる医師や先輩がいない環境は、特に慣れないうちは大きなプレッシャーに感じるでしょう。

しかし、決して一人で全てを抱え込むわけではありません。

不安な時はステーションに電話して指示を仰いだり、緊急時には他のスタッフが応援に駆けつけてくれたりするサポート体制が整っています。

この「事業所のサポート力」が、安心して働くための生命線になります。

オンコール対応による心身の負担

「夜勤はないけれど、オンコールがある」というのが訪問看護の特徴の一つです。

24時間、いつ利用者さんからの緊急電話が鳴るか分からないという緊張感は、精神的な負担になることがあります。実際に夜間に緊急訪問が必要になれば、体力的な負担もかかります。

ただし、オンコールの体制や頻度は事業所によって様々です。

複数人で当番を担当したり、オンコール専門のスタッフがいたり、あるいは日勤常勤でオンコールなしの働き方が選べたりと、負担を軽減する工夫をしている事業所も増えています。


自分のライフスタイルに合った働き方ができるか、事前に確認することが重要です。

未経験でも安心!サポート体制が充実した事業所の見極め方

訪問看護が未経験の方にとって、最初の職場選びはキャリアを左右するほど重要です。

やりがいを感じながら長く働き続けるためには、教育・サポート体制が充実した事業所を見極める必要があります。

見学や面接の際には、以下のポイントを必ずチェックしましょう。

事業所の見極めポイント
  • 同行訪問の期間は十分か
    • 目安として1〜3ヶ月程度、自信がつくまで先輩が同行してくれる体制だと安心です。
  • 教育・研修制度は整っているか
    • OJTだけでなく、事業所内外の研修やeラーニングなど、継続的に学べる機会があるか確認しましょう。
  • 気軽に相談できる雰囲気か
    • 管理者や先輩スタッフとコミュニケーションが取りやすく、困った時に「ほう・れん・そう」がしやすい職場環境かを見極めましょう。
  • ICT化は進んでいるか
    • スマートフォンやタブレットが貸与され、利用者情報の共有や記録がスムーズに行えるかどうかも、業務負担を減らす上で大切な要素です。

セルフチェック!訪問看護に向いている人・向いていない人の特徴

最後に、あなたが訪問看護という働き方にどのくらいフィットしそうか、簡単なセルフチェックをしてみましょう。

ただし、これはあくまで一般的な傾向です。


「向いていないかも」と感じる点があっても、意識や努力、職場のサポートによって十分にカバーできることも忘れないでください。

観点向いている人の特徴向いていないかもしれない人の特徴
コミュニケーション人と深く関わるのが好きで、傾聴力がある指示された業務を黙々とこなす方が好き
 利用者さんだけでなく、そのご家族とも良好な関係を築ける初対面の人や多職種との連携に強い苦手意識がある
判断力・自律性状況に応じて、自分で考えて行動するのが得意マニュアルや指示がないと不安で動けない
 予期せぬ事態にも、冷静に優先順位をつけて対応できる常に誰かに判断を委ねたいと思ってしまう
学習意欲知らないことや新しい知識を学ぶことに意欲的決まった業務だけをこなしていたい
 自分の専門外の領域にも興味を持って情報収集できる新しい技術や知識を学ぶことに抵抗がある
マインド利用者さんの生活や価値観を尊重し、柔軟に対応できる自分のやり方や考えを押し通そうとしがち
 フットワークが軽く、環境の変化を楽しめる決められたルールの中で働く方が心地よい

まとめ

この記事では、訪問看護のリアルなやりがいを、病院勤務との違いや具体的なエピソードを交えて解説しました。


また同時に、転職後に後悔しないために知っておくべき現実や、自分との適性を見極めるための視点もご紹介しました。

一人で判断する責任の重さやオンコール対応など、訪問看護には確かに大変な面もあります。


しかし、それを上回る「利用者さんの人生に深く寄り添える」「専門職として自律的に働ける」といった、病院では得がたい大きなやりがいがあることも事実です。

もしあなたが現在の働き方に疑問を感じ、利用者さん一人ひとりと真摯に向き合う看護・リハビリを実践したいと願うなら、訪問看護は非常に魅力的なキャリアとなるはずです。


この記事が、あなたの新しい一歩を踏み出すきっかけになれば幸いです。


まずは興味のある事業所の見学や、オンライン説明会に参加することから始めてみてはいかがでしょうか。