COLUMNS

訪問看護コラム

  • 訪問看護
  • 2025/08/25

訪問看護の仕事内容を徹底解説|病棟との違い・1日の流れ・給料まで未経験者向けに紹介

日々の業務に追われ、もっと一人ひとりの患者さんとじっくり向き合いたい。

病棟で働く看護師さんなら、一度はそう感じたことがあるかもしれません。

そんな理想の看護を、在宅医療の現場で実現できるのが「訪問看護」という働き方です。

この記事では、訪問看護の仕事に興味を持ち始めた方のために、具体的な仕事内容から1日の流れ、病棟との違い、そして気になる給料まで、転職を考える上で知りたい情報を網羅的に解説します。

INDEX

そもそも訪問看護とは?1分でわかる役割と活躍の場

訪問看護とは、病気や障害を持つ方が住み慣れた自宅で安心して療養生活を送れるように、看護師がご自宅を訪問してケアを提供するサービスです。

高齢化が進む現代社会において、病院から在宅へと医療の場がシフトする中で、その需要はますます高まっています。

訪問看護師は、利用者の「その人らしい暮らし」を医療と生活の両面から支える、これからの地域医療に不可欠な存在です。

訪問看護の対象者と働く場所(ステーション・病院)

訪問看護のサービスは、医師が必要と認めたすべての方が対象となります。

そのため、小児から高齢者まで、また精神疾患や難病を抱える方まで、幅広い利用者をサポートします。

働く場所は主に「訪問看護ステーション」と「病院・診療所の訪問看護部門」の2種類です。

それぞれに特徴があるため、自分に合った職場を選ぶ参考にしてください。

項目訪問看護ステーション病院・診療所の訪問看護部門
特徴・在宅ケアに特化している
・地域に密着した運営が多い
・事業所ごとの特色が豊か
・母体となる医療機関の方針に沿う
・入院患者の退院後ケアが中心
・外来や病棟との兼務の場合もある
連携先地域の様々な医療機関、ケアマネジャーなど主に母体となる医療機関の医師やスタッフ
向いている人・地域医療に貢献したい人
・裁量を持って働きたい人
・病院との連携を重視したい人
・退院支援に興味がある人

【一覧】訪問看護の具体的な仕事内容5つ

訪問看護師の仕事は多岐にわたりますが、病棟での経験を活かせる場面も多くあります。

一方で、利用者の生活の場に深く関わる訪問看護ならではの業務も少なくありません。

ここでは、具体的な仕事内容を大きく4つに分けてご紹介します。

①健康状態の観察と医療処置

利用者のご自宅で、健康状態を継続的に管理するのが重要な役割の一つです。

バイタルサインの測定や症状の観察を通じて、病状の変化を早期に発見します。また、主治医の指示に基づき、病棟と同じように専門的な医療処置も行います。

医療処置の例具体的な内容
点滴・注射抗生剤の点滴、インスリン注射など
カテーテル管理尿道カテーテル、胃ろうカテーテルなどの管理・交換
褥瘡(床ずれ)処置褥瘡の洗浄、薬剤塗布、ドレッシング材の交換
在宅酸素療法の管理酸素濃縮器などの機器管理、呼吸状態の観察
ストーマケア人工肛門・人工膀胱の装具交換、皮膚トラブルのケア
服薬管理内服薬のセット、服薬状況の確認、副作用の観察

これらの処置は、あなたの臨床経験を直接活かせる分野です。

②日常生活の支援とリハビリテーション

利用者がご自宅で快適に過ごせるよう、療養生活全般をサポートします。

身体を清潔に保つケアから、リハビリ専門職と連携した機能訓練まで、生活の質(QOL)を高めるための支援を行います。

利用者の生活リズムや価値観を尊重したケアが求められます。

支援・リハビリの例具体的な内容
清潔ケア入浴介助、清拭、洗髪、口腔ケアなど
排泄ケアおむつ交換、トイレへの誘導、摘便など
食事・栄養管理食事形態の確認、経管栄養の実施、栄養指導
リハビリテーション・関節可動域訓練
・日常生活動作(ADL)訓練
・嚥下機能訓練

③家族への支援と看取り(ターミナルケア)

訪問看護では、利用者を支えるご家族も大切なケアの対象です。

日々の介護に関する相談に乗ったり、介護方法を具体的に指導したりすることで、ご家族の負担を軽減します。

また、人生の最期を住み慣れた家で迎えたいと望む方のために、看取り(ターミナルケア)の支援も行います。

痛みや苦痛を和らげる緩和ケアを行いながら、ご本人とご家族の心に寄り添い、穏やかな最期を迎えられるようサポートします。

④関係機関との連携と報告書作成

質の高い在宅ケアを提供するためには、多職種との連携が不可欠です。

訪問看護師は、利用者に関わる様々な専門職のハブ(中心)となり、情報共有や意見交換を行います。

定期的にカンファレンスを開き、最適なケアプランをチームで検討します。

主な連携職種役割
主治医治療方針の決定、訪問看護指示書の発行
ケアマネジャー介護保険サービスの利用計画(ケアプラン)を作成
理学療法士 (PT)基本的な運動能力の回復・維持を支援
作業療法士 (OT)日常生活動作や応用的な動作の改善を支援
薬剤師服薬指導、薬剤の管理
ヘルパー食事や掃除などの生活援助

日々のケア内容や利用者の変化は、「訪問看護記録書」や「訪問看護報告書」として記録し、主治医やケアマネジャーに提出します。

⑤利用者獲得のための営業活動

訪問看護ステーションでは、定期的に利用者獲得のための営業活動をします。

特に民間で運営している訪問看護ステーションでは、営業活動をしてテーションの認知を向上し、依頼が来やすい環境を作っていきます。

営業活動といっても、居宅介護支援事業所や地域包括支援センターなどに定期的に出向き、チラシやパンフレットを配るような活動です。

訪問看護の営業については、以下の記事で詳しく解説しているので、ぜひチェックしてみて下さい。

【密着】訪問看護師のリアルな1日スケジュールと働き方

ここでは、訪問看護師の典型的な1日の流れをご紹介します。

1日に訪問する件数は、利用者一人ひとりの状況によりますが、平均して4〜5件程度です。

時間スケジュール内容
8:30出勤、情報共有・準備
ステーションに出勤。朝のミーティングでスタッフ間の情報共有を行い、その日の訪問スケジュールや利用者の状態を確認。必要な物品を準備します。
9:30午前の訪問(1〜2件)
社用車や電動自転車で利用者のご自宅へ。1件あたりの滞在時間は30分〜60分が一般的です。バイタルチェック、医療処置、生活支援などを行います。
12:00昼休憩
一度ステーションに戻り、昼食と休憩を取ります。午後の訪問に向けてスタッフと情報交換をすることもあります。
13:00午後の訪問(2〜3件)
午後の訪問に出発。ご家族からの相談に応じたり、リハビリを行ったり、利用者一人ひとりのニーズに合わせたケアを提供します。
16:30ステーションへ戻り、記録・報告
訪問看護記録書の作成や、主治医・ケアマネジャーへの報告書作成など、事務作業を行います。
17:00カンファレンス・申し送り
スタッフ全員でその日の情報を共有し、翌日の業務について申し送りを行います。
17:30業務終了
1日の業務が終了。お疲れ様でした。

オンコールや夜勤、パートの働き方は?

多くの訪問看護ステーションでは、夜間や休日の緊急時に備えて「オンコール体制」をとっています。

オンコール当番の看護師は、緊急用の電話を携帯し、利用者や家族からの連絡に対応します。

月に数回程度の当番が一般的ですが、事業所によって頻度や手当は異なります。

働き方の種類特徴
常勤(日勤のみ)・最も一般的な働き方
・基本的に土日祝休みが多い
パート・アルバイト・週2日、1日4時間など柔軟なシフトが可能
・家庭や育児との両立がしやすい
夜勤専従・一部の事業所で、夜間の訪問を専門に行う
オンコール専従・オンコール対応のみを担当する働き方

病棟勤務とどう違う?給料や環境、求められるスキルを5つの視点で徹底比較

転職を考える上で、病棟との具体的な違いは最も気になるポイントでしょう。

ここでは5つの視点から、訪問看護と病棟勤務を比較しました。

比較項目訪問看護病棟勤務
働き方・環境・主に日勤、オンコールあり
・基本的に土日祝休み
・一人で訪問し、その場で判断する場面が多い
・移動時間がある
・2交代・3交代制のシフト勤務
・土日祝も勤務あり
・常に複数のスタッフと連携
・医師が近くにいる安心感がある
看護の対象・利用者とその家族、生活環境全体
・長期的な視点で関わる
・入院している患者
・治療が優先され、入院期間内の関わり
人間関係・利用者・家族と深く長い関係を築く
・少人数のステーションスタッフと密に連携
・地域の多職種との連携が重要
・多くの患者と短期間で関わる
・大規模な組織内での人間関係
・院内の多職種との連携が中心
給料・年収・平均年収は約435万円 [2]
・夜勤手当がない分、病棟よりやや低い傾向
・オンコール手当やインセンティブが付く場合も
・平均年収は約480万円 [2]
・夜勤手当の有無で大きく変動
・各種手当や福利厚生が充実していることが多い
求められるスキル・高いアセスメント能力と判断力
・コミュニケーション能力
・自律性、自己管理能力
・基本的なPCスキル
・迅速な処置能力、急変対応力
・チームワーク、協調性
・特定の診療科に関する専門知識
・体力、精神的な強さ

訪問看護のリアルな本音|やりがいと「きつい」と言われる理由

転職で後悔しないためには、仕事の魅力だけでなく、大変な側面も理解しておくことが大切です。

ここでは、訪問看護の「やりがい」と「きつい」と言われる理由の両方をご紹介します。

訪問看護ならではの3つのやりがい・魅力

利用者一人ひとりと深く向き合える

時間に追われることなく、一人の利用者さんとじっくり関わることができます。

人生の物語に触れ、信頼関係を築きながら行う看護は、大きなやりがいにつながります。

利用者の「生活」そのものを支えられる

病気だけでなく、その方の生活背景や価値観を含めてトータルでサポートできます。

「家で過ごしたい」という利用者の願いを叶え、その人らしい暮らしを守ることに貢献できます。

自分の判断や工夫がケアに直結する

マニュアル通りではない、その場に応じた判断と創意工夫が求められます。

自分のアセスメントやケアが利用者の状態改善に直接つながった時、看護師としての専門性と成長を実感できます。

乗り越えるべき3つの大変なこと・デメリット

一人で判断・対応する責任の重さ

訪問先では、基本的に自分一人で状況を判断し、対応しなければなりません。

このプレッシャーや責任の重さを「きつい」と感じることがあります。

オンコールなど時間外の対応

オンコール当番の日は、夜間でも緊急の電話や訪問の可能性があります。

プライベートとの切り替えが難しく、精神的な負担を感じる人もいます。

多職種連携や家族との調整

様々な専門職や考え方の違うご家族との間に立ち、調整役を担うことも少なくありません。

コミュニケーションの難しさに悩むこともあります。

ただし、これらの大変な点は、経験豊富な先輩のサポートやしっかりとした研修体制、チームでのカンファレンスによって乗り越えることが可能です。

私は向いてる?訪問看護師に必要な資格・スキルと適性

訪問看護師になるために、特別な資格は必要ありません。

看護師または准看護師の資格があれば、誰でも挑戦することができます。

臨床経験は3〜5年程度あると望ましいですが、未経験者を受け入れている事業所も増えています。

ここでは、訪問看護師に向いている人の特徴をまとめました。

自分に当てはまるかチェックしてみてください。

訪問看護師に向いている人の特徴
  • 利用者や家族の話をじっくり聴くのが好き
  • 観察力に自信があり、小さな変化にも気づける
  • 物事を多角的に捉え、柔軟に考えることができる
  • 指示を待つより、自分で考えて行動するのが得意
  • 車の運転が苦にならない(事業所による)

また、看護スキル以外にも、あると歓迎される経験や資格があります。

あると歓迎されるスキル・経験理由
臨床経験(特に内科・外科・救急など)幅広い疾患に対応できるアセスメント能力が身についているため
普通自動車運転免許(AT限定可)訪問の際の主要な移動手段となるため
基本的なPCスキル記録や報告書作成がスムーズに行えるため
コミュニケーション関連の資格家族や多職種との円滑な連携に役立つため

【独自情報】未経験・ブランクありでも安心!ケアーズ北見のサポート体制

  • 「訪問看護に興味はあるけど、一人で訪問するのは不安…」
  • 「ブランクがあるから、最新の医療処置についていけるか心配…」


そんな不安を抱える方でも、安心してキャリアをスタートできる環境が大切です。

私たちケアーズ訪問看護ステーションきたみ中央では、未経験の方やブランクのある方が自信を持って働けるよう、充実したサポート体制を整えています。

サポート体制具体的な内容
充実した新人研修訪問看護の基礎知識から医療安全、感染対策まで、座学と実践を交えて丁寧に指導します。
OJTによる同行訪問入職後は必ず先輩看護師が同行訪問します。独り立ちできるまで、あなたのペースに合わせてじっくりサポートするので安心です。
チームで支え合う文化週に一度の多職種カンファレンスや日々のミーティングで、困ったことや判断に迷うケースはすぐに相談できます。「一人で抱え込まない」のが私たちのモットーです。
地域医療機関との強い連携北見市内の主要な医療機関と密に連携しており、退院後の患者様をスムーズに在宅へ移行させるノウハウが豊富です。安心して質の高いケアを提供できる基盤があります。

まとめ

訪問看護の仕事は、病院とは異なる環境で、利用者一人ひとりの人生に深く寄り添うことができる、非常にやりがいの大きなキャリアです。

確かに、一人で判断する責任の重さや大変な側面もありますが、それを上回る魅力と、看護師としての成長の機会に満ちています。

この記事でご紹介した仕事内容や働き方が、あなたの「理想の看護」と重なる部分があったなら、ぜひ訪問看護への一歩を踏み出してみてください。

それは、あなたの看護師としての可能性を大きく広げる、新しい扉になるかもしれません。


脚注
[1] 訪問看護とは 病気や障害のある方が住み慣れた自宅 地域で療養生活を送れるように 看護師が居宅 ご自宅や介護施設等 を訪問してサポートする在宅サービス です (https://kango-roo.com/career/guide/article/46)
[2] 訪問看護師の平均年収は約435万円です(看護roo!調べ)。看護師全体の平均年収(約480万円)と比べると、やや下がるケースが多いようです。(https://www.kango-roo.com/career/guide/special/4/#c)